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アメリカ国内旅行

まずは再びアメリカからごあいさつ

昨年6月に15年ぶりにアメリカに越してきて、ようやく慣れてきました。

今回住んでいるのは懐かしのテネシー州の北隣、やっぱり文化的には南部のケンタッキー州です。

ケンタッキーフランドチキンのおかけで、州名としては世界で一番有名なんじゃないかと思いますが、ミシガン湖の南のインディアナ、オハイオ、ケンタッキーとひとくくりにされると、なんとなく「石川・富山・福井」って感じです()

そして新しい住居はそのケンタッキーの中央やや東に位置する、州内では第二の大きさを誇る、レキシントン市です。第二、といいましたが、ここ中西部でデカイ街といっても人口数十万人でレベル、ここレキシントンも人口は40万人強くらい、以前住んでいた千葉県柏市と同じ位の人口です。勿論面積は桁違いとは言いませんが、7倍くらいですね(^_^;)。緯度は仙台くらい。ブルーグラス、が看板の、競走馬の生産で有名な街です。

素晴らしいのはどこまでも続くRolling Hillsと草原です。通勤経路もこれまでBigKatが体験した中では最も美しい、と断言できます。

この街で暮らすのも勿論初めてですが、15年前にテネシーに住んでいたときは流石に自転車には乗れなかったので、アメリカでは初の自転車デビューになります。これまでの日本→ベトナム→インド、に引き続き4カ国目のRide on the Earthになりますが、ヨロシク、アメリカ。

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いよいよおしまいレゴランド

 フロリダのディスニーワールドでは駐車場から会場までがまた遠くて、トラムとかに乗って行くが、このレゴランドはそこまで遠くない。規模的には東京ディズニーランド位なんではないかと思う。そんでもって着いたのが9時半だったので、開場の10時まではまだ時間がある。ゲートで入場券を買ったが、大人34ドル、子供29ドルと、この手のテーマパークとしては普通の値段だ。しかし、アメリカのJAFであるAAAの会員だと1割引になるので、あわてて会員証を取り出した。4人で113ドルだから、これまた決して安くない。
 しかし、最大の収穫は「混んでない」ことで、金曜日とはいえ流石に平日の、しかも朝一番はお客も少ない。いろいろな乗り物があるのだが、これの行列が短い。ディスニーランドなら、最低30分待ちっていうのが多いけれど、レゴランドはまだまだ知名度が低いせいか、はたまたロスからちょっと遠いからか、行列はほとんどなし。これだけで疲労度が半減する。
 どっちかって言うと、小学生までという年齢設定のせいか、乗り物も大人しめのものが多い。ジェットコースターも小さいし、他の乗り物も「ドライバーズライセンスセンター」(要するにゴーカート)とか単に回りながら上下するやつとか。思いっきり派手でアメリカ風のディスニーとはちょっと違ってお上品な感じにしようとしているようだ。
 一通り回って1日で見終わるサイズも旅行者にはありがたい。
 中に、レゴで作ったアメリカの名所というのがあり、あちこちの町並みや有名な建物をミニチュアにしてある。こう書くとなんだか何が面白いのかわからないけど、とにかく全てレゴってことだけぢゃなくて、細かく徹底的に作り込んであるので、じっくり見ていくことができて、なんだか面白いのだ。たとえば商店街の店の中もちゃんと品物が置いてあるし、中華街のたたずまいも、レゴで漢字の看板を作ってあって面白い。それからケーブルカーとかトラックとか、それに港に出入りする船もいろんな仕掛けで動くのでまた面白い。大人はともかく、見るだけというのが嫌いな子供達も感心して見入っていた。

 終盤に入って「組み立てて遊ぶ」というレゴならではのコーナーがあったので、子供達を放し飼いにした。本当はマインドストームのコーナーに行ってみたかったが、ここは13歳以上でしかも予約制なので断念。年齢別に4つのコーナーがあり、幼児用のデュプロから、レースカーを組み立てて走らせるとか、あるいは難しいモデルに挑戦するコーナーとかあって楽しめる。んで、帰りにはレゴを買って帰ってね、という商売上手なんであった。
 お土産屋にはなんでもあって、お決まりのハット(野球帽)からTシャツ、鞄、時計、キーホルダー、それからもちろんレゴ。子供達にはお揃いのハットと一つずつ好きなものを買ってやっておしまい。ハットもレゴランド・カリフォルニアとかっこいいロゴが入ってなかなかよろしい。お土産ハットの割には質が良くてそんなに高くないしね。ちなみに大人用のハット(長男用)で10ドル、ユース用(次男用)で8ドルだった。

   *   *   *   *   *
 さあ、終わった終わった。
 長い旅だったなあ~。シカゴから北米大陸を3/4横断して、シアトルから西海岸をほとんど北の端から南の端まで縦断したわけで、アメリカ合衆国外周を半周した感じだ。同じアメリカといっても、東西では全く気候も人種構成も文化も違う。気候はともかく、ナッシュビルでは本当によく見る大きな尖塔を持った教会というのを、西海岸ではほとんど見かけない。それから街で働く人々の構成も本当に違う。
 とにかく大きな国だ。これだけ広大で豊かな土地と資源を持った国はそうそう無いし、だからこそ冷戦後に唯一の超大国になれたのだと思う。もちろん日本には無いいろんな問題は抱えているにしても、問題を解決する懐の深さと言う意味では世界一の国に違いない。

 いやいや疲れたけどいろんなことが感じられた旅だった。特に家族とこの経験を共有できたのは大きな収穫だったと思う。子供達はどこまで覚えているかわからないけど、「ああいうこともあったなあ」と思い出してくれると嬉しい。

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<<10日目 本命 レゴランド攻略作戦>>

さて、今回の旅も最終日になって、最終目的地のレゴランドに行くことにした。本当はフランスに行ってユーロスターでイギリスのレゴランドに行こうと思っていたが、それをレゴランド・カリフォルニアに変更したと言うわけぢゃよ。

 レゴランドはまだ新しい施設のようで、ガイドブックやパンフレットも載せているものが少ない。要するにレゴを使ったテーマパークというか遊園地で、いったいいかほどのものか、と思って出かけた。レゴ自体は自分も好きで、あの精密なかみ合わせは、幼少のみぎり慣れ親しんだ任天堂のNBブロックなんてメじゃない。最近はテクニークというシリーズでティーンもとりこもうとしているし、それに去年からマインドストームシリーズという、パソコンからプログラミングできるロボットを作れるシリーズも発売して、なかなかがんばっているんである。そんで、従来のシリーズもスターウォーズの版権を買って、登場するメカをほとんど全て網羅している。我が家もご多分に漏れず、スターウォーズシリーズはお父さんが結構買った。Xウィング、タイファイターなんて、最初のスターウォーズに出てくるやつは子供は知らないが、お父さんが組み立てて一人悦に入っている状態だ(笑)。結構デキがいいんだから仕方がない。それに、ごく最近はコレクターズシリーズという、もっと精密なスターウォーズのメカも出てて、「ああ、こういうお父さんって僕だけぢゃないんだ」と安心した(爆)。だって、700ピース以上なんて、子供にはちょっと無理でしょう。

 さて、ソレはともかく、ロスを出て405号線から5号線に入り、サンディエゴに向けて海岸線を南下する。地元の人に聞いていたが、平日の朝は通勤ラッシュでロスの南のアーバインあたりはのろのろ運転になってしまう。でも30分ほどで抜け、海岸線が見えるころには目的地のカールスバッドは近い。結局2時間弱でレゴランド到着。借りたアコードはまだ6000マイルしか走っていない新車で加速が良くて助かった。

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米国加州長浜海水浴

さて、とりあえず行ったのはヤオハン(笑)。
 と言っても、ロスのヤオハンは倒産して、今はミツワという名前になっている。小さめのモールなんだけど、ナッシュビルなんかとは比較にならない品揃えで、嫁さんは「あーなんでもあるぅ」と感心ばかりしている。確かに日本の中規模のスーパーをごっそり持ってきた感じで、なんでも揃う。それと、併設の店舗もいくつかあって、旭屋書店とかが入っていてうらやましい限り。ついでにまんが専門店のまんだらけまであってこれまた驚き。
 で、ここでお弁当を買って、ロングビーチ方面へ行ってみることにした。ロングビーチは文字通りの「長浜」であって、砂浜がどこまえも続いている風光明媚なところだ。海岸沿いは高級住宅地になっていて、お洒落な店の建ち並ぶ通りもある。陽光は南カリフォルニアのメンツにかけてあくまで強烈だが、気温は結構低くて、木陰に入るとちょっと寒いくらいだ。
 テネシーに住んでいると海というものを見ないので、次々に押し寄せる波を見て、子供達はちょっと興奮気味だ。よく考えると、まともに海水浴というものには連れていったことがなかった。
 お兄ちゃんも弟も、最初は水際でちゃぷちゃぷやっていたが、ズボンが濡れるともう一緒なんで、Tシャツを脱いでザンブと飛び込み始めた。
寄せては返す波にもまれるのが面白いらしく、波打ち際で腹這いになってもみくちゃになって喜んでいる。なんだか水は冷たそうだが、いいなあ。30分ほ即席の海水浴をして、浜辺にあるシャワーで流したが、寒いらしくしばらくブルブルふるえていた。
「おとーさん、でも面白かったよ。また海水浴行こう」
としきりに言っていた。こいつらの初めての海水浴はカリフォルニアのロングビーチということになった。かっこいいような悪いような・・・。

 それからしばらくうろうろして、子供達は車の中でお昼寝をした後、特にいい場所が無いので、ロングビーチにある水族館に行くことにした。
ロングビーチ・アクエリウム・オブ・パシフィックという本格的な水族館でまだ新しい。入場料金も本格的で大人15ドル、子供も8ドルする。
 しかし展示内容はさすがに15ドルだけあって、サンフランシスコのピア39の様にあっという間におしまいというわけではない。館内に入るとまず目を引くのは、実物大の長須鯨の親子の模型で、天井から吊ってある。アメリカの水族館の展示というのは結構地元志向で、近海の海のディスプレイというのが多いが、ここもその例に漏れず、バハカリフォルニアとか、サンタクルーズアイランドとかの海域別のコーナーになっている。新しいのでとにかくきれい。特に目立った特別な看板展示というのはないのだけれど、海の生き物の触るコーナーでは、エイに触れるコーナーがあって驚いた。毒針は除いてあるそうで、浅いプールの底を泳ぎ回る何種類かのエイに実際にタッチできる。中にどういうわけかえらく人なつこいエイが居て、触って貰おうと壁をよじ登ってくるのだった。「その子はしっぽがないんだけど、いつもそうやって触って貰うのが好きなのよ」と学芸員のおばさんが説明してくれた。で、お兄ちゃんは喜んで撫でていたが、弟はこわがって断念してしまった。

 夜はミツワスーパーに帰って、食堂街でラーメンを食べた。ラーメンというのは日本料理だから、アメリカの中華料理屋では食べられない。で、ラーメン専門店、と言ってもチェーン店風なんだけど、そこのラーメンで夕食にした。これが量はやっぱりアメリカンで、どうみても1.5倍はあるので、平らげるのに四苦八苦した。「お子さまラーメンでいいね」と感想を言ったら嫁さんも同意してくれた。ちなみに、このほかイタリアントマトも入居してて、これまたアメリカのイタめし屋にはないタラコスパゲッティとかを出してました。

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<<9日目 ロサンゼルスの青い空>>

ロスはとにかくだだっ広い街だ。
 海い突き出した四角い平原の全てが条里制(?)の市街地で、ダウンタウンと呼ばれるホントのロサンゼルス市をとりまくいくつかの市がまとまってグレーターロサンゼルスという風になっている。僕たちの泊まったのは、国際空港から南に20分ほどのところのトーランス市というところで、日系企業の城下町みたいになっている地区だ。トヨタ、日産の北米本社からはじまり、本当にたくさんの企業がある。なかには音響機器の、テープを回転させるオートリバースで有名だったナカミチ、なんてのもある。
 で、ホテルは1年前にサンタクルーズから出張で来たとき泊まったトーランスプラザという日系のホテルで、フロントにはいつも日本語のできるコンシェルジェがいるし、食堂には日本語のメニューはあるし、部屋ではTVジャパンが見放題だ。まあ旅行の最後くらいこういうところもよかろうということで予約した。それに安いしね。

 ロスでの行動は2日。今回はレンタカーを借りてロス市内をうろうろしようという算段で、ホテルを通じてホンダのアコードを借りた。まあ、ロスで行動しようと思ったらまず車なしには困難で、交通の便のまあまあいいダウンタウンに泊まらない限り、ちょっと出歩くのは不可能だ。それにそんな高いところに泊まるカネがあるならレンタカーを借りる方が安いと来たモンだ。ちなみにトーランスプラザホテルはファミリールームが1泊100ドル、レンタカーは1日50ドルということだった。レンタカーはアメリカンエクスプレスが保険をカバーしてくれたので、保険料無しで乗れた。

米国回転寿司事情

 夕方まで遊んで、早めにホテルに帰った。本当は昨日の埠頭まで市電で行って、それからフェリーでアラミダまで帰ろうと思っていたが、帰りのバスに乗った時点でガキどもは遊びすぎて爆睡してしまい、最短距離でかえることになった。
 夕食はホテルの近所の「サッポロスシボート」というスシ屋。どんなもんか、と思って入ったらなんとくるくる寿司。コンベアではなくて、カウンターの回りをぐるりと囲んだ水路の上を、スシの皿を積んだ木製の船がぐるぐる回っているというタイプだ。料金体系は日本と同じ。安いのは1ドル50セント、高いのは4ドルくらい。こういうところに来ると、俄然張り切るのががウチの兄弟で、兄貴は皿の色を気にすることもなく高い皿を取りまくり、我が家で唯一4ドルの黒皿を取っていた。
それから次男は回る船団にすっかり舞い上がり、イクライクラとうるさい。こういう奴には別の安い好物をあてがうのが一番だ。幸いタマゴ巻きは1ドル50なんで、こいつを大量にあてがって黙らすのに成功した。
 結局勘定はチップ込み50ドルくらい。あんまり日本と変わらない。

 思うに、このアラミダ地区は、オークランドには便利だし、町並みも清潔でご飯にも困らない。中華料理も何件もあるし、中には上海飲茶なんていう看板もある。それにメキシコ料理の店もある。特にデイズインの真ん前にはウォルグリーンズというなんでも揃うドラッグストアがあるし、ナッシュビルより安くて旨いスターバックスもある。泊まるには結局お得な場所だった。

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<<7日目 本格的にサンフランシスコ>>


明けてこの旅行も一週間。今日は本格的にサンフランシスコ詣でなんである。

 といっても、我が一家はあまりお買い物好きというわけではないので、サンフランシスコのお洒落なショッピング街にはあまり用がない、というよりそんな雑踏にウロチョロするような連中を連れ出すことの方が頭痛の種が。というわけで、当初の予定通り、サンフランシスコ市街の東側、有名なゴールデンゲートブリッジにほど近いところにある、「エクスプロラトリウム」という巨大な子供のインタラクティブミュージアムに行くことにした。これは、いろんな遊びを通して、自然科学っつーかものの原理とかを学ぶというのが目的の子供達のための施設で、とにかくお勉強になる巨大遊園地、ということらしい。

 で、9時頃ホテルを出て、昨日と同じルートでサンフランシスコへ。
BARTも2回目になるとかなり慣れてすいすいと乗れる。しかし、昨日使ったケーブルカーは使わず、今日はバスで市街を南東から北西に横断して、パレス・オブ・ファインアートというところに行く。マーケット通りから出るバスはなんとトロリーバス。路上に張った架線から電気を取って走る、まあタイヤを履いた市電みたいなもんだが、日本では昭和40年代に絶滅した交通機関がまだ現存して動いている。まあ、ケーブルカーより新しいからまあいいか。どうも中国系らしい運転手の無愛想なのに閉口しつつも、30分ほどでゴトゴトおかを越えてパレス到着。しかしまわりは普通の高級住宅地、という感じで、あまりそういう博物館とかがあるようには見えない。
 通りをちょっと入ると、あったあった、なんだかアメリカらしくないギリシャ遺跡のようなドームが見えてきた。半月型の池の向こうに、樹木に囲まれた巨大な柱とドーム。んーなんだかこれは相当にアメリカらしくない。空がスコーンと抜けている中に、巨大な石造建築がどっかーんというのは、サイズはともかく、雰囲気が大変にアメリカらしからぬところがある。
 とはいえ、ここは紛れのないアメリカなので、とにかく近づいてみると、確かにドームの背後の半月型の建物の中はどうも博物館らしき雰囲気になっている。

 入り口を探すのにちょっと手間取ったが、なんとか長大な建物の端っこにゲートを発見した。たしかにEXPLORATORIUM、とある。入場料は大人10ドルと子供7ドルで決して安くはないが、中に入ってびっくり。石造りと思われた建物は実は鉄骨構造の巨大倉庫のような構造で、外側に石造風のパネルを張って造ったもののようだ。幅30M、長さが200M、高さが20Mくらいか、そういう巨大なワンボックスが、妙ちきりんな展示物で満ち満ちており、ついでに子供達の歓声もそれと同じくらい満ち満ちている。後で買ったパンフレットによると、この建物は1900年代はじめの地震後の復興計画で、国際博覧会用に建設された建物の一部(!)だそうで、廃墟寸前だったのを60年代に復興させたらしい。そんでもって展示場だった建物を子供達の好奇心の集大成博物館としたらしい。

 展示品はたとえば、軽いものだと自転車の車輪を回転させて軸を持って傾けると、ジャイロ効果でもとに戻ろうとする実験とか、いろんな錯視減少の紹介とか(トイレの壁のタイルまでこれだった)、でかいとこでは30M位のブリキのチューブの中に叫んで、音の響きを体験するとか、あるいは放射線の実験用の霧箱、なんてのもある。生物関係では、ニワトリの受精卵を生きたまま割って経過日毎に展示し、心臓が動いているのを拡大鏡で見せるというのがあった。
展示内容は600点を超えるそうで、専用の工作室からは、今日も新しい実験展示が作られており、人間の知りたいとか遊びたいという気持ちの集大成のような場所になっているというわけ。
印象的だったのは、シャボン玉の実験というかパフォーマンスで、担当のおじさんはこの道のプロらしく、両手で直径70センチくらいのシャボンを作り、その中にさらに数個のシャボンを吹き入れるという芸当をやってのけていた。子供達はこれには大喜び。できた巨大シャボンを両手で振動させるというのもやっていたけど、シャボン玉って結構丈夫なんだなあ、と感心した。

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サンフランシスコのクールな海

 で、ピア39にある水族館に入る。
 さすがに平日も夕方ということで、客は少ない。大人9ドルで入るといきなりエレベーターがあり、水面下に連れて行かれる。で、海底にアクリルのチューブが引いてあり、人間様はお魚を下から見上げながら動く歩道に乗ってご見学という算段だ。
 展示内容といってもそんなに派手ぢゃないし、珍しい魚がいるわけではないから、この海底チューブが見せ場なんだけど、単純な割に結構楽しかった。ちょっと時間つぶし、ってのには良いかも。子供達は喜んでましたな。

 外に出ると、海風が非常に冷たく、半袖で来てしまった僕は歯の根も合わない。白色人種の中にはTシャツ一枚という輩も居るんぢゃが、ああいう肉食人種にはかなわん、と実感した。長男がバンジーコード付きのトランポリン(腰にコードを付けて、トランポリンの上でアクロバットができるという仮設のゲーム:6ドル)をしている間はなんとか我慢したが、帰り道はたまらず、飛び込みのアウトドアショップでナイロンのパーカを買った。これまたコロンビアスポーツ製でセール価格だったが、いきなり真っ黄色で目立って恥ずかしい。

 帰るのでまた停車場に行ったが、これまた長蛇の列。みんなで転車台の回りに並んでいる。そうなると、ここで芸人が登場するのが都会の面白いところ。最初は黒人の姉妹2人がラジカセの音楽に合わせてダンスをするというもので、高校生位のお姉ちゃんと、小学生の妹が踊る。妹はともかく、お姉ちゃんは体のバネがすごく、結構イイ線行っていたので、50セントを投げ銭。脇に母親らしい人がいたが、服装を見ても、かなり苦しそうな感じ。次は白人やもめで、身障者用の杖を突いているところを見ても、すぐにお涙頂戴と知れる。で、芸と言っても歌うだけ。
しかもジーザスがどうのこうのという歌で、ここまで露骨だと投げ銭をする気もしない。このあたりの感覚はアメリカ人も同様のようで、この男やもめに喜捨する人はほとんど居なかった。ちなみに彼は2回戦目もやったけど、結果は散々のようで、そんな大きな声の出る元気があるなら仕事せいよ、と言いたくなった。マーケット通りに戻っても物乞いは多く、空き缶を前に置いてただただ呆然としている者、「クォーター!クォーター!(25セントくれ)」とやたら叫ぶ者といろいろだった。ちょっとやりきれないね。

 帰りも往路と同じルートで8時ころホテルに帰った。夕食はもうめんどくさいのでホテルの隣の中華料理、というか「アメリカン&チャイニーズ、そしてスシ」という看板のバフェー(バイキングスタイルのレストラン)に入る。んで、なぜかスシを大食してしまった。ここの料理人はどうも日本で修行したのではないかと思わせる盛りつけ&味付けのフシがあり、取り放題スシも結構旨かった。アメリカの中華料理屋では珍しい餃子もあったし。ちなみに子供は「年齢×60セント」という明朗会計でリーズナブルだった。012

 [鉄ネタ] 3日目:いよいよシアトルへ

 シアトルといえばアメリカの神戸なんである。
 ピュージェットサウンドという湾と湖に挟まれた狭い丘に小粋な町並みがひしめく様子はホンマにどうだ、これでもか、の港町だ。地形的には函館に似ていると思うし、公設市場なんてあるのもなんだか北海道風なんだが、まあとにかく神戸と姉妹都市らしい。

 最近はマイクロソフトの本社とかあったりして、なんだかハイテク都市っつー感じもするけど、街のたたずまいは僕が5年前やはりデンバーからアムトラックを使って来たときと変わっていない。
 
 再びヘビーな朝食を食べて、シアトルには定刻より20分早く着いた。時に10時。シカゴを出るときは陰気な雨降りだったが、ここシアトルは陽光が燦々と降り注ぎ、空気も乾いていて大変快適、というかちょっと暑かったか。
 街の南はしにあるユニオン駅は改装中で、ホームには屋根もない状態で、とんがり帽子の時計塔のある駅舎の中はどういうわけか真っ暗。こいつはいかんなあ、と思いつつタクシー乗り場へ。ところがここもなかなかタクシーが回ってこず、なんだか金曜深夜の北柏駅っつー感じだ。

 ま、ガキどもも元気が余っていることだし、バスにでも乗るべ、と海側の2ndアベニューから4thアベニューにてくてく歩き出した。そういや駅周辺は5年前もちょっとイヤな雰囲気だったなあ、と思うと、その状況は変わっておらず、やはり昼間から不健康にぶらついている輩が多い。

 「こーゆー時はきょろきょろせず、一心不乱に歩かねば」

と念じて、子供の手を引いて歩く。ま、それほどやばい感じではないんだけどやっぱりナッシュビルなんていう田舎から出てくるとそれなりに緊張するんである。
 で、問題は坂で、シアトルはまさしく神戸のように海側からぐぐっと盛り上がって丘になっているが、通りの番号が5番くらいまでが結構な傾斜で、家族旅行で大荷物の我が家はとても困る。嫁さんとふうふういいつつ、片方でウロチョロしてともすれば道路に飛び出しそうになるガキどもを叱りとばしつつ歩くのは結構なホネだった。
 でもなんとかホテルの前を通過するバスを捕まえて11時にはホテル入り。

 今回のホテルも事前に全部インターネットで予約して出かけたので、場所もレートも全部確認済みだ。チェックインも名前だけ言えば全て入力済みなんで早い。特に我が家の様にアジア系の長い名前だと綴りを説明するのも手間が掛かるし、たいてい間違っている(笑)。外国人にはウェブ予約というのはわかりやすくて大変によろしい。予約したのは中堅ホテルチェーンのデイズ・インで1泊105ドル。ワシントンは州税も高いので税込みで120ドルくらいになるけど、ダウンタウンではこんなもんでしょう。ちなみにAAA(アメリカのJAF)会員割引で1割引きにはなっている。

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寝台車内生活

座席に戻って、また夕食になってしまう。

 嫁さんが間違って5時を予約してしまったせいもあるが、子供達は依然ナッシュビル時間で動いているようで、2時間くらい早くしないとまた食事中に寝てしまうと言う事態になりかねないという事情もある。

ホントにブロイラー状態だし、僕はシアトルの不調を持ち越しているので、頼んだソードフィッシュ(カジキ)のグリルも半分くらいでギブアップ。本来ならタダのデザートまで掻き込みたいところだが仕方がない。ま、ダイエットもしないとね()

 今度の寝室は以前のデラックスと違って、通路を挟んだ小さいものでもちろん個室用のバスルームもないし、余分なイスを置くスペースもなく、本当に「座って寝るだけ」という仕様だ。でもま、1日なら必要十分って感じもする。026

 エンパイアビルダーについていたのと同じおりたたみのテーブルには生花を飾った花瓶、それにシャンプーなどのセットが小さい籠に入って置いてある。窓際にはパンフレットと時刻表、それに専用のレターセットが置いてある。このへんはなんだか日本のトワイライトを彷彿とさせるなあ。

 子供達も昨日パシフィックサイエンスセンターでの爆遊で疲れたのか、早めに眠たがるので、自分で上段のベッドを降ろして寝かしつける。ところが寝付いた次男がどうも調子が悪いらしく、ときどきうんうん唸って起きるので参った。結局嫁さんが狭いベッドに添い寝して一夜を明かすことになったが、オトーサンは隣でメールなど書きつつ、真夜中まで起きていた。窓の外は真っ暗で、時々線路沿いの街を過ぎるとオレンジ色のマグネシウムライトがまぶしい。多分夜空は満天の星空なんだろうけど、アムトラックのガラスは熱線反射ガラスなんでイマイチよく見えない。

 と思ったら、夜の10時過ぎにクラマスフォールで止まる、というアナウンスが。そう言えば、昼間もウィラマット川とかを通過したな、と思う。クラマス、とかウィラマットというのは川の名前なんだけど、パソコンのCPUメーカーのインテルが製品の開発コードに使っていたので有名だ。よく「開発ロードマップ」とかで、時期CPUはクラマス、とか出ていたりする。そういうわけでクラマスフォールと聞いて出てみたが、別に滝が拝めるわけではなく、只の田舎町の駅だっただけ(^^;)

 でも、涼しい夜の空気を吸うことができて、狭い寝台の中でキーボードを叩いていた身にはいいリフレッシュになった。

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