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2017年8月

Leh Cyclingのサドル

Leh Cyclingはテキサスにあるサドルのカスタマイズの工房で、Carson Lehというお兄ちゃんがやってます。Lehは既存のサドルにデザインをした革を貼り付けるという手法で、好みに合ったサドルを作ってくれるという商売をやってます。

ポイントは「好きなサドルが使える」ということで、個人差あって、好みの差が激しいサドルというパーツで、自分にあったサドルがカスタマイズできるというのがアドバンテージです。

BigKat2014年にインドから帰った時に、満を持してテネシー産のチタンバイク(Lynskey R440)を買いましたが、その時にイージーオーダーしたのがテキサスのLeh Seatのサドルで、これがなかなか良かった。

ベースとなるサドルは保守的に、評価のはっきりしているFizikArioneにしたんですが、これがピッタリ。

それまで、時間はかかっても体に合うように変形していく革のサドルを頑固に使ってきましたが、最新のサドルが粋になるということなら大歓迎でした。それに、革サドルはどうしても重量が重くなりますが(ブルックス製だとチタンベースでも400g位)、シンセティックのサドルは200g台で収まります。

何より、自分の好きなデザインにできるというのが最大の魅力です。

前回のR440の時に「サドルに上張りをするということは、耐久性は?」と思っていたんですが、3年のライドで全く問題なし。Carsonに聞いても「手入は特になしで、水濡れもある程度は大丈夫」ということなので、時々クリームを塗るくらいです。

摩擦の多いところはヨレるかな、とも思ったんですが、これも問題なし。天然皮革ということですが、表面は化学塗料でしょうから、結構強靭なのかもしれません。

今回のバイクはR440と同じくテネシー州チャタヌーガのLynskey。しかも、ややオヤジ入ったホリゾンタルフレームのクラシックテイストの入ったLegacyです。

バーテープをLynskeyの純正の白にしたので、前回のナチュラルブラウンと違って今回はサドルも白に。

つや有りのSmooth Whiteにして、飾り穴のパターンは「毘沙門亀甲」にしてみました。これは三叉が組み合わさって亀甲柄になっている、毘沙門天の甲冑の模様だそうで。このパターンを両側に配置し、真ん中はプレーンにして境界をステッチで区切ってもらいます。

Saddle_design

Carsonとメールで会話しながらアイディアを送り、デザインを詰めていきます。白地に赤のドットが亀甲柄を構成するというデザインで発注決定です。

ここで支払いますが、Carsonのところは相当仕事が混んでいるらしく、この時点で25番目(^_^;)。納期は3ヶ月後と言われました。

さて、待つこと結局半年近く。職人を急がせるとロクな事はないので、ジックリ待ちました。この間、Carsonからメールが来て「出来上がるから送る」とこのこと。UPSで送られてきた箱の中にはもう一つFizikの箱が入っており、その中に特注アリオネが入っていました。

正直最初は意外、という感じで頭のなかで想像していたのと若干印象が違います。デザインで頭に描いたものと、現実のブツとの差ですね。

ところがCarsonの丁寧な仕事を見ているうちに段々良くなってきて、じっと見入ってしまいます。

アメリカの職人芸はなかなかに素晴らしい。メダリオンのパンチング作業にもスキがありません。ステッチも、裏側の革の折り返しも大変に丁寧です。Carsonの仕事ぶりは変わらないようです。

唯一課題があるとすると、天然皮革だということで、やはり生物由来の若干のむらやシワはあります。これを「天然素材の味」と見るか、それとも「やっぱり完璧にツルツルスベスベでないとイヤ」とするかは好みですが。

Img_1302

↑やっと届いたCarson Leh謹製カスタムアリオネ。Fizikの箱に入ってます。アメリカ国内だと普通にUSPSで届きます。

週例ライドの朝にLegacyに取り付けてみます。今度は予想通りで、白いバーテープとマッチして、統一感があります。Legacyはチタンそのままのフレームに、白(バーテープとフレームのロゴカラー)・黒(コンポーネント)・赤(ヘッドのスペーサーやクイックリリースの金具)という色使いなので、白地に赤いドットがぴったり来ます。

Img_1713

↑こんな感じですが、普通に見てるとあまりメダリオンの孔の赤は目立ちませんね。

Img_1715

↑毘沙門亀甲だと、アメリカンというより、どっちかって言うとヨーロッパ風のデザインになっちまいますな。

良いのは座り心地が保証されていることで、これまで使っていたサドルと同じなので、これはありがたい。事実、最初のセッティングで100マイル程乗りましたが、全く変更しないでOKというありがたさ。アリオネ本来の良さはそのままです。

Img_1341

↑ケンタッキーのブルーグラスの上に転がしてみると、こんな感じ。

半分は自己満足の世界ではあるんですが、やっぱり自分のデザインのサドルに乗れるってのはいい気分ですね。Thank you, Carson!

Copyright BigKat 2017

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